経営者について②

 黒腹さんは経営業務管理責任者について深く解説していきます。

経営業務管理責任者って?


「では、経営業務の管理責任者について改めて説明していきましょう」
「えーっと、建設業許可の三大要件で、経営者に関して求められる要件でしたっけ?」
「はい、大雑把に言うとそうです。」
「営業取引上対外的に責任ある地位の者を指して、役員や事業主などから選ぶんですよね?」
「はいはーいっ!修羅場くぐった経験も求められるんっすよね!」
「みなさん、優秀ですね。概ねそういうことです。修羅場の経験ではありませんけどね(苦笑)」
「その、経験やらのトコ、もうちょっと詳しく教えてください。」
「経営業務の管理責任者に求められる詳細な要件は以下のとおりです。」

経営業務管理責任者の要件

  1. 許可を受ける業種について、5年以上の法人役員の経験又は個人事業主等の経験があること
  2. 許可を受ける業種以外の業種に関して、7年以上の法人役員の経験又は個人事業主等の経験があること
  3. 許可を受けようとする業種について、7年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって経営業務を補佐した経験を有すること
「ややこしーっ!」
「業種というのは、建設業のことですよね?」
「これは、よくある誤解なんですが、業種というのは一般的な意味の業種(建設業、製造業、飲食業など)という意味ではなく、工事の種類のことを指します。」
「ん? ん? ということは、単純に建設業としての個人事業主経験ではダメってことですか?」
「ダメとは断言できません。大熊さんが実際に許可を取りたいと思われている業種(以下「工種」と表記します)によって変わります。」
「俺は、一応『土木一式』、『とび工事』、『土工事』、『コンクリート工事』、『タイル・ブロック工事』、『舗装工事』とかかなぁ・・・」
「なるほど、それらを建設業の許可28工種に当てはめて考えると以下のようになります。」

経営業務管理責任者の要件チェック(大熊さんの場合)

個人事業主での経験土木一式とび・土工・コンクリートタイル・れんが・ブロックほ装
土木一式の経験0年××××
とび・土工・コンクリート経験7年
タイル・れんが・ブロック経験5年×××
舗装経験3年××××
○・・・上記1の要件によりクリア  △・・・上記2の要件によりクリア  ×・・・クリアできず

「兄さん、めっちゃ×だらけじゃないっすか!!」
「あれ? ひょっとして俺、許可取れませんか?」
「安心してください!結論から言うと大熊さんはずべての工事について、経営者の要件はクリアしています。」
「そうなんですか!? それにしては、えらく×が多いですよね?」
「そうなんです。ここで重要なのは2の要件になります。もう一度読んでみてください。」
「えーっと、許可を受ける業種・・・っていうのは工事の種類のことよね? 言い直すと許可を取りたい工事の種類以外の工事を扱う事業を個人事業や役員として行っていた経験が7年以上あることということかしら?」
「はい、まさに説明したい通りに読み直して頂き、ありがとうございます。」
「なるほど!ピコピンと来たっす!つまり兄さんは『とび・土工』などの経験が7年以上あるから『とび・土工・コンクリート』の工種は1の要件でクリアして、それ以外の工種についても2の要件でクリアしてるんっすね?」
「秋田さん、ご名答です!」
「おお!それはすごい。2の要件のおかげで、まったく経験のない『土木一式』を行う事業の経営者にもなれるのか!」

このページのまとめ

経営業務管理責任者って?

  1. 経営業務管理責任者の要件は主に3つある
  2. 業種とは、許可を取ると事業者として取り扱える工事の種類を指す
  3. とりあえずいずれかの工事の種類で7年以上、経営者経験があれば、どの業種でも狙える
  4. 3の要件『7年以上経営業務の管理責任者に準ずる地位』について黒腹さんは完全にスルー
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