建設業許可とは

 建設業許可の取得を検討している大熊さんは、経営コンサルの黒腹さんのもとに訪れていた。

許可の必要な工事


「今日は、どういったご相談ですか?」
「俺は、6年前に独立して「とびや土工」関係の事業をしているのですが、このたび建設業許可を取りたいと思うようになりまして・・・。そもそも建設業許可っているんですか?」
「基本的には建設や土木工事を業務にするとしても、必ずしも許可が必要な訳ではありません。工事の請負金額によって許可が必要かが決まってくるのです。」
「請負金額でですか!? 具体的にはいくらなんですか?」
「金額で言うと、工事の請負金額が500万円以上の場合に建設業許可が必要です。ただし、建築一式工事の場合に限り1,500万円以上の場合か、延べ面積が150㎡以上の木造住宅工事の場合となります。」
「建築一式工事って具体的に言うと?」
「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建築する工事のことです。例えば家を新築する場合、大工工事や内装工事など複数の工事を組み合わせて行う訳ですが、これらの個々の工事業者を指導し、注文者と契約するのであれば(元請)、建築一式工事を行うこととなります。」
「なるほど!じゃあ、その個々の工事業者の場合、500万以上なら許可が必要で、500万未満なら許可は不要とも言えますね。」
「そう!その通りです。素晴らしい応用力ですね!ちなみに、500万未満の工事を『軽微な工事』と言ったりします。」
「軽微な工事なんていうと、なんかみみっちぃ工事みたいに思われてそうっすね。500万未満でも大変なんすよ・・・」
「確かにそうですね。これはあくまで法律上の線引きとして認識してもらえたらと思います。」
「よく考えたら、請負金額が500万円を超えるような工事でも、専門工事ごとに分ければそれぞれ500万未満になる場合も多いよな。」
「あ、本当だ!さすが兄さん!!」
「残念ながら、個々の工事ごとに契約して、それぞれの請負代金が 500 万円未満になっても、全体的に 500 万円以上になる場合は、建設業許可が必要です。これは工期が長期間のものを、区切って契約した場合でも同様です。」
「あくまで、一つの工事案件ごとに考えるのね・・・。」


このページのまとめ

建設業許可の必要性について

  1. 工事の請負金額が500万円以上の場合に建設業許可が必要
  2. 建築一式工事の場合は、1,500万円以上または延べ面積150㎡以上の木造住宅工事のの場合に建設業許可が必要
  3. 建築一式工事とは「元請として総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建築する工事」
  4. 500万円以下の工事(建築一式工事の場合は1,500万円以下or延べ面積150㎡以下)を「軽微な工事」という
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