経営者について③

 黒腹さんは経営者経験の裏づけ資料について説明します。

経営経験の裏付け


「あ!やべぇ・・・。オイラ今日、冴えまくり!すげー事に気付いたっすよ!」
「ん?どうしたんだ? 秋田」
「兄さんは、たまたま7年の経験があったから良かったすけど、もし7年の経験がなくても、経験があることにすればいいんじゃないっすか? 個人事業なら誰にも分からないし・・・」
「それは、すごい事に気付きましたね! っと言いたいところですが・・・」
「やっぱり、ダメなのね(笑)」
「じつは建設業許可申請書を提出する時に、経営業務管理責任者となる者が要件を満たすことを証明する『経営業務管理責任者証明書』という書式を提出する必要があるんです。」
「しょ、証明書っすか!? 役所、やらしいっすね・・・(汗)」
「どちらかというと秋田くんの方が、やらしいんだと思うけど・・・」
「それって、どんな書式なんですか?」
「たいそうなものではありません。希望の工種と、経営業務管理責任者となる者の詳細や、経営者としての経験年数などを記載します。ただし、証明者はあくまで第三者になります。」
「第三者というのは具体的に誰を指すんですか?」
「例えば、役員経験の場合はその頃に就任していた法人、つまり会社などの代表者ですね。個人事業の場合は仕方ないので、事業主自身ということになりますが・・・」
「ほらキタっす!やっぱり事業主自身が書くなら、年数も盛れるじゃないっすか!!」
「お前、それは人としてダメだろ? ってか、俺ら人じゃないけどさ・・・」
「まず、前に説明した建設業許可の欠格要件にあった『許可申請書類の重要な事項について、虚偽の記載をしたり、重要な事実の記載を欠く』に該当するので、許可が取れなくなります。そして、それ以前にそういうウソはバレちゃうんですよ・・・」
「まさか、役所が探偵でも雇って調査するんスか?」
「いえいえ、そんな事はしなくても、許可申請の際に『裏付け資料』の提出が求められるんですよ、これは添付資料としての場合や、確認資料としての場合があります。」
「逆に、その裏付け資料で、どうやって証明すればいいんですか?」
「法人の場合は簡単で、定款の目的に『建設業』などがあるか否かと履歴事項全部証明書や閉鎖事項証明書による役員歴などが確認されます。個人事業主の場合は、確定申告書や所得証明書で事業主歴を確認します。ただし、法人、個人いずれの場合(特に個人事業主)も、建設業務歴が不明確なので、数年分の工事請負契約書をはじめ、注文書や請書などが必要になります。これらには契約書や注文書・請書が本物であることを証明する『発注証明書』を合わせることが多いです。」
「ひえーっ! 役所の確認ハンパねぇーっす! もう、ごまかすとか二度と言いません・・・(汗)」


このページのまとめ

経営経験の裏付け

  1. 経営業務管理責任者の要件(経験年数)を証明する書式がある
  2. 証明者は法人の場合、その代表者。個人の場合事業主自身。
  3. とりあえずいずれかの工事の種類で7年以上、経営者経験があれば、どの業種でも狙える
  4. 経営の経験年数や、工事を行っていたことを裏付ける資料がたくさん必要になる
  5. 欠格要件にもなるので、虚偽の申請はしてはいけない
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